店舗デザインとは?流れや費用からデザイン事務所の選び方まで解説!
店舗デザインとは一般的に店舗設計のことを指します。店舗デザインは集客力や顧客満足度に影響を及ぼす重要な要素なので、意味や流れなどをしっかりと把握した上で取り組むことが大切です。
店舗デザインは、新しく店舗をオープンする場合やリニューアルする場合に欠かせないものです。一方で、よく耳にする言葉であるものの、その意味についてよく分かっていないという方は少なくないでしょう。ここでは、店舗デザインの意味や流れ、費用などについて解説するとともに、依頼先となるデザイン事務所を選ぶ際のポイントをご紹介していきます。
店舗デザインの意味と重要性とは?

店舗デザインとは、一般的に店舗を設計することを指します。店舗デザインを担うデザイナーは、依頼主からヒアリングした要望を基に店内の雰囲気や家具・什器などを考え、店内の広さを把握した上でレイアウトや家具・什器の配置を決めて図面に落とし込んでいきます。
この一連の作業が店舗デザインとなりますが、店舗デザインの出来は集客力に大きな影響を与える要素のひとつです。 近年、SNSの普及に伴って、店内で撮影した写真や動画をSNSに投稿する方が増えました。
お店選びの際にインターネットを活用する方も増加しているため、集客力を高めるには提供する商品の質や価格はもちろん、店内の雰囲気や家具などにもこだわって、顧客が思わず行きたくなるような店舗をデザインしていくことが重要です。
また、顧客が快適に過ごせる店舗を作ることができれば顧客満足度の向上が期待できます。顧客満足度が向上すればリピーターの増加が期待できるとともに、口コミによって新規顧客の獲得にもつながっていくでしょう。
加えて、自店の商品・サービスやコンセプトに合致した店舗をデザインできればブランド力の向上が図れます。ブランド力が高まると多くの顧客がファンになってくれるため、価格競争なしでも継続的に利益を獲得しやすくなります。
以上が店舗デザインの概要と重要性となりますが、店舗は図面だけでは完成しません。店舗を完成させるには、デザイナーが作成した図面を基に工事を行う必要がありますが、この段階になると基本的にデザイナーは関与しなくなり、主に施工会社が大部分の作業を担っていきます。
店舗デザインは、どのような内装にするのかを考えて図面に落とし込んでいく作業を指しますが、図面だけでは店舗は完成しないため工事まで店舗デザインに含めるという考え方もあります。
店舗デザインの流れを把握しよう

店舗デザインを外注する場合、まずは依頼先となるデザイン会社と打ち合わせを行います。ここでは、どのような雰囲気の店舗を作りたいのかといったコンセプトや予算などがヒアリングされるので、スムーズに打ち合わせを進めるためにもコンセプトや予算を事前に明確にしておくと良いでしょう。
例えば、インターネットなどを活用して理想に近い店舗の写真を用意しておくと、打ち合わせがスムーズに進むとともに、デザイナーとイメージを共有しやすくなります。
打ち合わせ完了後は、1~2週間後にデザイン会社から完成予想図となるスケッチや、パースと呼ばれる3D作成ソフトによる店舗デザインが提案されます。
デザイン案が決まってから修正を加えると、追加費用が発生したりスケジュールに遅れが出たりする可能性があるので、この時点で納得できるまで打ち合わせを重ねて提案を修正してもらうことが大切です。 店舗デザインの決定後は、施工会社の選定に移ります。
多くのデザイン会社では施工会社を紹介してくれますが、デザイン会社に頼らずに自分で探すことも可能です。自分で施工会社を探す場合は2~3社程度に相見積もりを依頼して比較することが大切ですが、費用だけで施工会社を選ぶのは危険です。
費用だけで施工会社を選んでしまうと、思ったような仕上がりにならない可能性があるので、デザイナーなどの専門家と相談しながら決めることをおすすめします。
施工会社が決まったら、1週間ほどの準備期間を経て工事開始となりますが、工事完了までの期間は業種や規模によって変わるものの6週間ほどが目安です。工事完了後は設備面や使い勝手などを確認し、全て問題がなければサインをして引き渡しとなります。
店舗デザインにかかる費用について
店舗デザインをデザイン会社依頼する際は事前に予算を明確にしておくことが大切ですが、店舗デザインにかかる費用は大きくデザイン費と工事費に分けられます。
デザイン費の決め方は依頼先によって変わってきますが、デザインのみを提供する会社の場合は坪単価を用いて費用を算出するのが一般的です。坪単価は業種やテナントの状態などによって変動しますが、基本的に店舗が狭くなるほど坪単価は上昇します。
10坪を下回るような小規模の店舗の場合、一律で50万円程度の費用が設定されていることも多いので、小規模店舗のデザインを依頼する際は注意が必要です。 デザインから施工までを一括で請け負っている会社の場合、工事費全体から費用が算出されることもあります。
一般的には、総工事費の10~15%がデザイン費となるケースが多いです。なお、総工事費からデザイン費を算出する場合、デザインが決定してからでないと具体的な金額は分からないため、大まかな工事費や予算からデザイン費を割り出すのが一般的です。
工事費については、大きく設備工事費と造作工事費の2種類に分けられます。設備工事とは電気・ガス・給排水など店舗の運営に欠かせない設備の工事、造作工事とは天井・床・壁・ドア枠といった工事のことです。
また、店舗の内装工事は着工してみないと分からない部分も多く、テナントの状態によっては追加工事が必要になることも少なくありません。加えて、天候などの要因から工期が延びることも考えられます。予定していた予算をオーバーすることは珍しくないので、予算は余裕を持って組んでおくことが重要です。
店舗デザイン会社を選ぶ際のポイント

店舗デザインにかかる費用は決して安くはなく、店舗完成後に大幅に修正することは難しいため、デザイン会社の選定は慎重に進めなければなりません。必ずしも大手デザイン会社に依頼すればイメージ通りの店舗が完成するわけでもないので、基準を明確にした上で選定していきましょう。
店舗デザイン会社を選ぶ際は、まずホームページなどで実績を確認することが大切です。基本的にデザイン会社には得意な分野と不得意な分野があります。例えば、飲食店のデザインが得意な会社もあれば、アパレルショップのデザインが得意な会社もあります。
どのような店舗でも幅広く請け負っている会社もありますが、基本的には豊富な実績を持つ分野を得意としているケースが大半です。加えて、業種や業態だけでなく得意とするテイストも各社で異なります。
自店の業種や業態、希望のテイストを得意とするデザイン会社を選べば、理想通りの店舗が実現できる可能性が高まるので、過去の実績は必ず確認しておきましょう。 また、店舗デザイン会社には、デザインのみに対応している会社と、施工やアフターフォローまで一貫して行っている会社があります。
デザインのみに対応した会社を選定すると、施工会社は自分で選ぶ必要があるので注意が必要です。デザインから施工まで一括で依頼したい場合は、施工経験が豊富かもチェックしておきましょう。 デザイナーとの相性も重要な選定ポイントです。
例えば、初めて店舗を持つ方の場合、丁寧にヒアリングして積極的にデザイン案を提案してくれるデザイナーがおすすめです。一方で、これまで何店舗も出店してきた方の場合は、意見交換をしながらデザイナ案を煮詰めていけるデザイナーが良いでしょう。また、デザイナーとは何度も打ち合わせを重ねることになるので人としての相性も重要です。今回は店舗デザインの意味から依頼先を選ぶ際のポイントまで解説してきましたが、店舗デザインは開店後の集客力や顧客満足度などに影響を及ぼすので、コンセプト設計などの準備をしっかりと行っておくことが大切です。
また、店舗デザインの成否は依頼先に大きく左右されるので、デザイン会社は実績やデザイナーとの相性などを考慮して慎重に選定しましょう。